「あれもこれも」で疲れたあなたへ。「やめる」ことから始める時間管理
「やることがたくさんあるのに、全然時間が足りない…」「毎日バタバタしているのに、何も成し遂げていない気がする…」
もしあなたが、そう感じて疲れているとしたら、もしかしたら「時間管理」という言葉に少し身構えてしまうかもしれません。
これまでにも時間管理を試してみたけれど、計画通りにいかずに自分を責めてしまったり、きっちり管理しようとして余計に息苦しくなったりした経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。育児や家事、仕事に追われる毎日では、予測できないことも多く、計画通りに進まないのが当たり前のように感じられますよね。
このサイトでは、そんな時間管理が苦手な方や、完璧を目指すことに疲れてしまった方に向けて、心をラクに、そして少しだけ時間にゆとりを生み出すための「ゆるっと始める時間管理」のヒントをお届けしています。
今回は、たくさんのタスクに追われて疲弊してしまっている方に向けて、「何かを始める」のではなく、あえて「やめる」ことから始めてみる、逆転の発想の時間管理についてお話ししたいと思います。
完璧を目指す時間管理に疲れていませんか?
時間管理と聞くと、「もっと効率的に動かなければ」「無駄な時間をなくさなければ」と考えがちです。もちろん効率化は大切ですが、常に完璧なスケジュールを組もうとしたり、全てのタスクを時間内にこなそうと無理をしたりすると、かえってストレスが溜まってしまいます。
特に、私たちの生活には、突発的な子どもの呼び出し、急な仕事の依頼、体調不良など、計画通りにいかない要素がたくさんあります。そんな中で、カチカチの時間管理を導入しても、計画が崩れるたびに「自分はダメだ」と落ち込んでしまいがちです。
もしかしたら、あなたは無意識のうちに、「あれもこれも完璧にこなさなければ」と自分自身に高いハードルを課してしまっているのかもしれません。頑張り屋さんのあなただからこそ、たくさんのことを引き受けて、心も体も疲れてしまっているのではないでしょうか。
「何かを始める」より「何かをやめる」という発想
忙しい毎日を変えたいと思ったとき、ついつい新しい習慣を取り入れようと考えがちです。朝活、新しいToDoリストアプリ、細かな時間記録…これらも素晴らしい方法ですが、疲れている時にさらに「新しいこと」を始めるのは、大きな負担になることもあります。
そこで提案したいのが、「何かを始める」のではなく、まず「何かをやめる」ことから始めてみるという時間管理です。
「やめる」と聞くと、ネガティブなイメージを持つかもしれませんが、ここで言う「やめる」は、あなたにとって負担になっていること、本当に必要ではないこと、そして「やらなくても大丈夫なこと」を手放すという意味です。
手放すことで、心にも時間にも、少しずつスペースが生まれます。この生まれたスペースこそが、あなたのための「ゆとり時間」になるのです。
あなたの「やめる」を見つけるヒント
では、具体的に何を「やめる」ことができるでしょうか?あなたの日常を振り返りながら、いくつかヒントをご紹介します。
- 「完璧」をやめる:
- 家事は完璧でなくても大丈夫。全ての部屋を一度に綺麗にしようとせず、今日はここだけ、と範囲を決めたり、時々はプロに頼ることも考えてみましょう。
- 料理は毎日手作りでなくても大丈夫。お惣菜や冷凍食品、外食を上手に活用することを許可しましょう。
- 子どものおもちゃは毎日全て片付けなくても大丈夫。片付けのゴールを「人が通れるくらい」に設定してみましょう。
- 「全部自分で抱え込む」をやめる:
- 家族やパートナーに頼ることをためらわないでください。「これをお願いできるかな?」と声をかける練習をしてみましょう。
- 職場でも、一人で抱え込まずに同僚に相談したり、協力を求めたりすることを考えてみましょう。
- 「人に頼むくらいなら自分でやった方が早い」と思っていませんか?長い目で見れば、手放すことで生まれる時間の方が価値があるかもしれません。
- 「やらなくてもいい情報収集」をやめる:
- なんとなく見ているSNSやニュースサイトの時間を少し減らしてみませんか?本当に必要な情報だけを取りに行くように意識してみましょう。
- 通知をオフにする、見る時間を決めるなど、デジタルデトックスも有効です。
- 「断れない自分」をやめる:
- 気が進まない誘いや、キャパシティを超える依頼には、正直に「ごめんなさい、今は難しいです」と断る勇気を持ちましょう。断ることは悪いことではありません。
まずは、小さなことから一つだけ「やめる」ことを決めてみませんか?例えば、「平日の夜は食器を洗うのはやめて、朝に回す」「洗濯物をたたむのをやめて、乾燥機からそのまま使う」「SNSを見る時間を1日15分減らす」など、本当に小さなことで大丈夫です。
「やめた」ことで生まれた時間をどう使う?
何かを「やめた」ことで少しでも時間が生まれたら、それはあなた自身のために使ってあげましょう。
- 休息する: ぼーっとする、横になる、お茶を飲むなど、何も「しない」時間を持つことは、心を回復させるためにとても重要です。
- 好きなことをする: 読書、音楽を聴く、趣味に没頭するなど、あなたの心が喜ぶことをする時間にあてましょう。たった5分でも10分でも、積み重ねれば大きな違いになります。
- 大切な人と過ごす: 家族や友人との何気ないおしゃべりや、一緒に過ごす時間は、あなたを癒し、活力を与えてくれます。
この時間は、「やらなければならないこと」をこなすための時間ではありません。あなたが心からリラックスしたり、満たされたりするための時間です。罪悪感を持つ必要は全くありません。あなたは十分に頑張っています。
完璧主義を手放し、自分を責めないで
「やめる」ことに慣れてくると、「あれ?これ、やらなくても意外と大丈夫だったな」という発見があるかもしれません。同時に、「これをやめたらダメな母親だと思われるかも」「もっと頑張らなくちゃ」といった声が心の中で聞こえてくることもあるかもしれません。
そんな時は、「完璧でなくても大丈夫」「私はこれで十分頑張っている」と、自分自身に優しい言葉をかけてあげてください。周りの期待や、「こうあるべき」という理想に縛られすぎず、今の自分にとって何が大切かを優先して考えることが、心のゆとりにつながります。
時間管理は、あなたを縛り付けるためのものではありません。あなたが心穏やかに、そして大切にしたいことに時間を使えるようになるためのツールです。
小さな一歩から、ゆるく続けていきましょう
「やめる」時間管理は、一度にガラッと変える必要はありません。今日から、いえ、この記事を読み終えた後すぐにでも試せる小さな「やめる」を見つけて、実行してみましょう。
もしうまくいかなくても、自分を責める必要はありません。「今日は難しかったな。また明日試してみよう」と、ゆるく、気楽に続けていくことが大切です。
あなた自身の心と体の声に耳を傾けながら、「やめる」ことから、あなたにとって本当に心地よい時間の使い方を見つけていってください。応援しています。